芦屋の家
House in Ashiya
個人住宅
緑と共に、時間をかけて
「 近くの緑 」と「 遠くの緑 」
小学生のお子さんのいるご家族の住宅である。緑に囲まれて日々を過ごしたい、というのがご家族の計画当初からの要望だった。敷地内には、前庭、玄関庭、中庭、奥庭、屋上庭という大小5つの緑の庭を配置し、各室のすべての窓から緑を楽しめるように計画を行った。そして、この家からはもう1つの大きな「 緑 」を望むことができる。六甲山である。六甲山の稜線を望める場所を家の室内外に設け、「 近くの緑 」と「 遠くの緑 」の双方を日常生活の中で楽しめるようなものとした。
「 近い未来 」と「 遠い未来 」
この家はお子さんの小学校入学とほぼ同時期に計画された。多感な成長期を迎えるお子さんとご夫婦のこれからの生活を想像し、新しい生活の器となるように願って設計を行った。敷地内の緑はすべて今回植えられたものでまだ若く、お子さんの成長と共にこれから大きく生長していく。この家もまた船出を迎えたばかり。それぞれの成長と呼応し、時間を重ねて魅力を増していく存在であって欲しい。同じ想いを持ち、近い未来だけでなく遠い未来へもまなざしを向けていたご夫婦と共に、使用する建材は家が永く使われることに適ったものを1つ1つ選び、耐震性能を等級3とすることや高い断熱性、気密性を有する計画が行われた。
この家が変わりゆくものを受け止めそれに呼応しながらも、永い時間をかけて、ご家族にとって、そして家が建つ街にとっても、変わらない存在になって欲しいと願っている。
建築場所 | 兵庫県芦屋市
用 途 | 個人住宅
工事種別 | 新築工事
構 造 | 木造2階建て
構造設計 | 柳室純構造設計 柳室純
施 工 | ヴィーコ 太田貴之
造 園 | 庭友 佐野友厚
撮 影 | 笹の倉舎 笹倉洋平
第16回 大阪府建築士会 建築人新人賞 受賞